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フィンドホーン体験記第2章

フィンドホーン体験記第2章

トランスフォーメーション・クイズ解答★

さて、フィンドホーンとエマソン・カレッジには共通点があります。それは次のうちのどれでしょうか?

1、両方ともルドルフ・シュタイナーの哲学が母体となっている。
2、両方とも1962年に誕生している。
3、どちらも共同体である。

正解は2です。両方とも1962年に誕生しています。60年代というのは後半では対抗文化運動が起きていますので、その足がかりとなる前半に二つの組織が誕生しているのには意味があるのかもしれません。

エマソンには人智学というひとつの柱があるのに対して、フィンドホーンはニューエイジの全体的な考え方が母体となっています。その点が違います。僕の印象では、エマソンは考える要素が強く、フィンドホーンは感じる要素が強いという気がしました。

フィンドホーンは完全なる共同体です。エマソンも生徒が共同生活を行っているので共同体的要素は強いのですが、形式としてはカレッジであり、コースの期間中だけ滞在し、卒業したらそれぞれ別の場所に羽ばたいていくことになっています。

いよいよフォレスへ

 1986年3月15日午前9時、僕はフォレスに着いた。迎えのミニバスはもう来ていた。一緒に乗り込んだのは西ドイツ出身のバーナー、スイス出身の女性エリサ、もう一人のスイス人アービン、そして、オックスフォード大学の学生アンディだ。
 さっそく僕はみんなと話しはじめ、一通りの自己紹介が終った頃、バスはクルニーヒル・カレッジに到着した。
 すでに到着して椅子に座っていた大柄な黒人と目が合った瞬間、僕は叫んだ。「デクスター! こんなところで何をやっているんだ?」
「おまえこそどうしたんだ?」
 デクスターはロンドンの指圧学校のクラスメイトだった。彼がフィンドホーンに来ているなど思いもよらなかった。他にもバーバラという参加者がいて、彼女は去年ブリティッシュ・スクール・オブ・シアツを卒業している先輩だ。世界は狭いものだ。

 二人ずつ部屋をシェアーすることになり、僕のルームメイトはミシガン州出身のトムだ。39歳でゴルフ場の経営者。平和運動にも長い間参加していて政治にはかなり興味がある。なんと昨年は下院議員の選挙に立候補までしたという。ニューエイジには五年ぐらい前から興味を持っている。ただ、言葉で語るだけでなく行動で表すことに意義があると思っているようで、行動が伴っていない一部のニューエイジの動きには疑問を感じるとも言っていた。特に、内的成長を超えた社会に対しての働きかけという部分においてである。

 クルニーヒル・カレッジは元ホテルだっただけあり、ホテルとしての設備は充実している。ユースホステルのような所にしか泊まったことのない僕には新鮮だった。豪華なのは食堂だ。天井からはシャンデリアが垂れ下がり、カラフルなペルシャ絨毯が辺り一面に広がっている。19世紀の宮殿にワープしたようだ。奥はガラス張りになっていて太陽の光が差し込んでくる。窓の前には白いワンピースを着た美しい女性が座っていて、全身が光に包まれていた。(まさに天使だ)思わず眼が釘付けになってしまった。
 食事は、そこらじゅうの自然食レストランのメニューをすべて合わせたかのように、種類が豊富だ。豆料理、キッシュ、ソバの穀、玄米ご飯、パン、じゃがいも、スープ、サラダ。このサラダがまた、ブロッコリーやアボカドなどがたっぷり入っていて色彩が鮮やかである。マクロビオティックだった僕には豪華過ぎる。と同時に、こんなに卵や乳製品などが入ったものを食べてもいいのだろうかという疑問が生じたが、郷に入れば郷に従えということで、(取材だし)思いっきり味わうことにした。自然食にこしたことはないのだから。

 キャラバンパークの食堂は対照的で木造だった。木目がくっきり見える壁にテーブル。オーガニックという言葉がふさわしいように、すべてに生が感じられる。ここは、ある意味で馴染みのある世界だった。僕がここ三年間体験してきた、イギリス・オルタナティブ・ワールドの匂いがぷんぷんする。髪を肩まで伸ばした男が奥のテーブルに腰掛けている。まるで60年代からワープしてきたように。
(ぶっとんでるぜ!)僕は思わず興奮して男に歩み寄った。「やあ、ヨシだ。名前は何ていうの?」
「アランだ。アラン・ワトソン」
「アランか。覚えておくよ。いい髪してるね」
「ありがとう」彼はそう言って微笑んだ。
 笑い方までクールだ。彼にはまた会ってゆっくり話がしたい。僕はそう思った。

参加メンバーたち

 体験週間の参加者は全部で24人。イギリス人が多い。あと、アメリカ人、ドイツ人と人口分布はエマソンのそれと変わりなかった。日本人は僕一人だけで、白人以外の人種も僕とデクスターだけだ。
 ここに来た理由はみなまちまちだが、それぞれ転換期にいることは変わりない。
 シャロンはニュージーランド出身。東南アジア、インド、イスラエル、トルコと放浪してロンドンに来た。ロンドンでは薬局で働いている。ジョギングが好きで、ここでも毎朝ジョギングに行く。僕も何回か一緒に行った。ニューエイジに関してはまだよく知らない。
 ペギーはアメリカ、コネティカットの出身。ウィスコンシンの大学で野外レクリエーションの学士過程を終えたばかりだ。十月からニューメキシコの大学でカウンセリングの修士課程に進む。
 バスで一緒だったオックスフォード出身のアンディは195センチ以上ある長身だ。専攻は英文学。三年前には麻薬中毒にかかっていた。そこから立ち直らせたのが精神世界との出会い。そして奇跡的にも、オックスフォード進学という快挙をなすまでに成長した。
 サリーはロンドンに住んでいる。ずっと旅行関係の仕事をしていた。最近自然医学やスピリチュアリズムに興味を持ち始めた。フィンドホーンに来た理由は、生活をすべて変えてニューエイジ的に生きるか、今までの生活を続け、部分的にだけニューエイジに関わっていくかを決めるためだという。
 サリーの姉ターラはイギリス南西部デボンにあるトットネスから来た。トットネスはオルタナティブな町として有名な所である。二人の子供はシュタイナー学校に通っている。家族そろって共同体に住みたいと思っていて、フィンドホーンをチェックしに来たそうだ。
 地元スコットランドからの参加者も3人いる。まずグレッグ。ヘビーメタルのミュージシャンといった髪型は完全に場違いだった。だからこそ僕は彼が気に入った。彼は他の教育ある中流階級の人たちとは違い、特に精神世界に興味があるというわけでもない。フィンドホーンで育ったデミアンのクラスメイトで、デミアンを通してフィンドホーンを知った。
 サンガは子供を家に残してやってきた。初日はとても悲しそうな顔をしていた。
 キャロリンは五十代半ばでクリスチャンだ。ずっと伝統的なキリスト教徒として生きてきた。ただ、フィンドホーンの霊性にも興味があり、キリスト教徒としてあい通じるものがあるという。自分を変えたいと思っているが、それは古い文化を完全に捨てきることではない。ふたつは共存できるものだと彼女は思っている。

魔法の国

 春の陽光が、庭いっぱいに広がる芝生に降り注いでいる。花壇には赤や黄色の花々が咲き乱れる。中央では、満面に笑顔を浮かべた男女がハグをしている。そよ風に靡くブロンドの髪は光線の加減で透き通っている。
 ついに来たのだ。今まで写真で何度も見、ダーリアンをはじめとした多くの人から聞いていた魔法の国に、ついにやってきたのだ。高校の頃から夢見ていたユートピア、僕ははたしてここにそれを見出すのだろうか。興奮と好奇心と感動が入り混じり、じっとしていられなかった。瞑想ルームやキャラバンパークなど見てみたい場所がたくさんある。話してみたい人もたくさんいる。でも何から始めたらいいかわからない。
「ヘイ、ヨシ!」デクスターがやってきた。真っ青な顔をして、髪の毛が逆立っている。
「どうしたんだ?」
「ノッチンガムからやってきた女性が帰っちゃったんだ」
「帰った? だってまだ始まったばかりじゃないか」
「荷物まとめて今出ていったよ」

続く

トランスフォーメーション・クイズ

フィンドホーンの近くにはインバネスという町があります。そこには湖があって、それはあることで有名です。次のうちどれでしょうか?

1、今度映画にもなることでアーサー王伝説は注目されていますが、実はインバネスにある湖には、伝説の聖剣エクスカリバーが埋まっていると言われています。

2、2001年、つまり日本と韓国開催のワールドカップの一年前、イングランドとスコットランドの練習試合がその湖の畔で行われた。試合はPK戦へともつれこみ、デビット・ベッカムが大きくゴールを外してしまった。ボールはそのまま湖へと。ファン100人が湖へ飛び込み大騒ぎになった。

3、その湖には恐竜が住んでいると地元では信じられている。多くの人が目撃していて、恐竜には名前までついている。

正解は次回

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