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フィンドホーン体験記第7章

フィンドホーン体験記第7章

トランスフォーメーション・クイズ解答

 僕は全部で八人の共同体員をインタビューしました。レイチェル、ジュディ、リリイ、ハリー・ムラー、キム、デミアン、アレックス、アラン・ワトソンです。

ところで、この中に、僕が体験週間で一緒だったグレッグという人の友達がいます。

それは誰でしょうか? バックナンバーを見ればわかります。

正解はデミアンです。デミアンはフィンドホーンで育った人ということで、当時雑誌で紹介されました。ですから、僕は最初からデミアンをインタビューするつもりでいました。グレッグのおかげで、それもスムーズに運んだのです。

共同体員のインタビュー

 フィンドホーンに住んでいる人たちのインタビューを特集します。これは、1986年に行われたものなので、内容も時代背景も、すべてその時点でのことであるということを、ご了承ください。

トムが去ってしまう

 トムもキャラバンパークに泊まるので、夜はいろいろ話せると思って楽しみにしていた。しかし、夕方彼の部屋を訪ねると荷造りをしている。
「どうしたんだ?」僕は慌てて言った。
「俺は帰る。もううんざりだよ」彼は言った。
「えっ?」
「ワークショップとかいいながら結局仕事があるじゃないか」
 どうやら午前中は、体験週間の時のように共同体の仕事に従事させられるらしい。
「別に仕事が嫌いなわけじゃない。タダで仕事をすることも構わない。実際、ここに来る前は、あるお寺で無料奉仕の仕事をしてきた。俺が気にいらないのは、お金を払って仕事をすることだ」
「確かに」僕は同意した。
「俺はそこまで仕事に飢えていない。家に帰れば山ほど仕事が残っているんだからな」
 トムは確かに多忙な人だ。ゴルフ場を経営し、本も書いている。『禅・ゴルフの芸術』というものだ。昨年は下院議員選挙にも立候補した。ヨーロッパ旅行もぎっしり予定が詰まっている。四月末にはロンドンマラソンにも参加する。
 結局彼はワークショップをキャンセルし、去っていった。

 ということで、また一人仲間がいなくなった。
 

リリイ

 フィンドホーンには今まで学校がなかった。従って、共同体の子供たちは地元の学校へ通っていた。しかし、今年から共同体の中にシュタイナー学校ができ、現在、幼稚園と小学校一年まであるという。アメリカの公立学校で教員をしていたリリイは一年前にここにやってきて、現在シュタイナー学校で教えている。


 まず、どうしてフィンドホーンに来たんですか?

リリイ
 私は特にフィンドホーンに来たいと思っていたわけではなかったの。ニューエイジには前から関わっていて、スピリチュアルなことに関してはずっと興味があったわ。でも、その共同体に住みたいとは思わなかった。たまたま旅行でスコットランドに来たついでに寄ることになって・・・
 体験週間は素晴らしかったわよ。参加者の多くはまた来たいとか、ここに住みたいとか思っていたみたい。私にとっても感動的な一週間だった。ただ、それで十分だった。ここに残りたいとは思わなかったわ。
 それが、自分がアメリカに残してきた荷物が火事で全部燃えてしまって、帰れなくなってしまったの。それで仕方なくデパートメンタルゲスト・プログラムに参加してもうしばらくいることにした。それでも一時的なことで、ずっといるつもりはなかったわ。
 それがトランスフォーメーションゲーム(フィンドホーンで行う変容のためのゲーム)をした時に、自分の役割が、ニューエイジ運動に貢献することと、シュタイナー教育に関わることだということがわかったの。ちょうどその時にここでシュタイナー学校が始まるということが決まったの。
 ただ、結局その年の九月からエマソン・カレッジに行くことにしたので、ここには残らないつもりでいたの。


 エマソンに?

リリイ
 そう。そして、夏エマソンカレッジを訪問した時に、最終的な答えが出たってわけ。


 つまり?

リリイ
 エマソンに行かないで、フィンドホーンでシュタイナー学校の仕事を手伝うということ。


 なるほど。つまり、エマソンよりもフィンドホーンを取ったということですね。
 エマソンとフィンドホーンを比較してみて、ひとつ感じることがあるんです。もっとも、エマソンには五ヶ月以上いて、フィンドホーンは一週間だけだから、あくまでもこの期間における印象に過ぎないんですが。ここではみんなポジティブ・シンキングを大切にしていて、時にはそれが行き過ぎているというふうにも感じるんです。つまり良い面ばかり見て、悪い面に対して見つめようとしないというか。ところが、エマソンでは、ポジティブな部分もネガティブな部分も同じように評価されていると思うんです。
 ある日オイリュトミーの授業でこういうことがあったんです。長調と短調の表現を繰り返しやっていって、最終的に短調で終るんです。そこで僕は先生に訊きました。「どうして短調で終るんですか? 希望を持った状態で終ったほうがいいと思うんですが」
「あなたにもいずれわかる時がくるわ」と先生は言いました。
 実際その意味がわかるようになったのは、エマソンを去って一年ぐらい経ってからでした。暗い現実を見つめ、それと闘うことが大切なんだってね。

リリイ
 面白いわ。私たちって全く逆ね。私は反対にフィンドホーンに長くいて、エマソンには少ししか滞在していない。あなたがフィンドホーンから受けた印象も十分頷ける。実際、多くの人がそう感じているみたい。ただ、私は違うわ。長くいればいるほど感じてくるんだけれど、ここにいる人たちは日々ネガティブな部分も見つめている。毎日仕事をする中で様々な問題が起きてくるんだけれど、決して目をつぶろうとせず、きちんと向き合うわよ。怒りなどの感情もきちんと表に出して、自分の感情に正直になろうとしている。
 私の人智学者に対する印象は、これもたくさんの人たちに会ったわけではないから偏見かもしれないけど(笑)、理知的で合理的であると思うわ。自然や人間に関する知識はものすごく、教育法でも農業法でも何でもよく知っている。もちろんそれは素晴らしいことなんだけれど、みんな頭から来ていて、心から来ているようには感じられなかったの。
 エジンバラのシュタイナー学校を訪ねた時も感じたんだけれど、教師同士の人間関係がスムーズにいかないこともあるみたい。心と心の交流がかけているからかしら。
 ただ、フィンドホーンでは反対に、心と心の交流はよくできているんだけれど、時々仕事がはかどらない時がある。感情的な問題につまずいていて、効率的に仕事をこなせなかったりする。
 だから双方のいい面が合わさればいいんだと思うわ。この二つが合体したら本当に素晴らしいものができると思うの。


 それは僕も同感です。たぶん、シュタイナー学校がその橋渡し役になるのでは・・・

リリイ
 ぜひ、そうなりたいわ。エジンバラのシュタイナー学校では、学校側と子供たち、そして父母がみんな一緒になり、ひとつの共同体のようなものを作っている。クリスマスフェアーなどはみんなで準備して、学校と地元の人たちとの交流も生まれている。
 このシュタイナー学校も、地元の人たちとつながりを作るとてもいい場所になると思うの。今まではみんなフィンドホーンを変わった目で見ていたけれど、学校となればまた違うわ。子供たちがここに通えば、子供たちを通して共同体と地元の交流が生まれる。
 だから、この学校はいろいろな意味で、新しい風を共同体に吹き込むわね。


 では、当分アメリカへは帰れないですね。(笑)

リリイ
 そのようね。

ハリー・ムラー

 ハリー・ムラーは、僕と同じように共同体の人をインタビューして、本を書いた。『フィンドホーンの経験』という題でドイツ語で出版されることになっている。共同体にはもう九年住んでいて、昨年は、ヨーロッパ・ヒューマニティ・ギャザリングというものをここで開いた。その会合では、西ヨーロッパの人々と東ヨーロッパの人たちが参加した。(ベルリンの壁が崩壊される前で、まだ冷戦の時代だった)みな同じテーブルで食事をし、ゲームや瞑想などを通し、人間として交流した。

ハリー
 ひとつ強調したいのは、私は平和のためには活動していないということです。調和と信頼と理解のために活動しているのです。平和というのはもちろん調和的だけれども、同一性が強いと思うんです。みんなが賛成しようとして、反対を受け入れない。ちょうど水の入ったボールで、水が全く動かないで静止しているような状態です。そのような状態では、新しいものの創造が起こらないんです。
 水が動いていてこそ、創造は起こるんです。調和と信頼と理解は、意見の対立を受け入れる。自分たちの違いというものを受け入れるんです。なにもみんな同じ意見を持たなくてもいい。みな同じ生き方をしなくてもいいと。ただ、僕らはお互いを信頼し、理解し、調和を保つんです。そして相違点から何か新しいものを創造する。


 共同体の仕事としては何をしているんですか?

ハリー
 私は、他の人と違って、特殊な関わり方をしています。共同体の労働部には所属していません。キッチンやガーデンなどの仕事は全然していません。実は、私はグループ活動というものがあまり好きではないんです。もともとは画家だったのですが、一人で、自分のペースで仕事をするのが肌に合っているんです。ですから、共同体にお願いして特別な待遇を得ています。仕事はほとんどが、外での活動です。ヨーロッパだけでなく、アジア・ヒューマニティ・ギャザリングやアフリカ・ヒューマニティ・ギャザリングなどを企画運営したりします。フィンドホーン内でする仕事もゲストを対象にした教育活動がほとんどですね。


 ヒューマニティ・ギャザリングでは具体的には何をするんですか?

ハリー
 最初の三日間は体験週間でやるようなことをします。つまり神聖ダンスやニューエイジゲームやシェアリングなどですね。まずはお互いのバリアを破ります。その後で、人々の違い、相違点というものを見つめます。それを隠すことなく、闘い、新しくできあがるものを受け入れていく。
 参加者はかならずしも職業、政治、宗教、防衛などを代表するのではなく、その国の精神を代表します。ある国からは政治家が来るかもしれません。別の国からは失業者が来るかもしれません。その国の精神を代表している限り、職業は関係ないのです。

今後の予定

第8章

キムとデミアンは共同体で育ちました。自分で選んでやってきた他のメンバーとは違う彼らを、直撃インタビュー。

第9章

アレックスは経理を担当。そんな彼に、フィンドホーンとお金について訊き出します。『マリアエネルギー』に出てきた池沢美明の突っ込みの原点は、ここにあった。そして、待ちに待ったぶっとんでいるお兄ちゃんの登場。フィンドホーン・カレンダーを作ったアラン・ワトソンにマイクを向けます。

トランスフォーメーション・クイズ

『キング・アーサー』という映画が話題になっていますが、これは、アーサー王伝説を物語ったものです。日本ではあまり馴染みがないのですが、英語圏では誰もが知っている話です。『ダ・ヴィンチ・コード』でも注目されている聖杯伝説も、アーサー王伝説に含まれています。また、ここに出てくる円卓の騎士は、有名なSF映画にもモチーフとして使われています。

そこでクイズ。
アーサー王伝説に出てくる円卓の騎士とは何人いるのでしょうか?

1、7人です。7は聖なる数字です。
  『七人の侍』というのもここから来ています。

2、12人です。キリストの弟子も12人でしたね。

3、6人です。実は円卓には、
  三角形が二つ上下に合わさったものが描かれています。
  つまりダビデの星です。その角が6個あるために、
  6人腰掛けるようになっているのです。

正解は次回
第8章
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