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ロハスとスピリチュアリティ

ロハスとスピリチュアリティ

ロハスという言葉とスピリチュアルという言葉がそれぞれ共に注目されていますが、いろいろな意味でつながっています。ロハスというのは英語で書くとLOHAS。Lifestyles of Health and Sustainabilityの略で、健康的で持続可能なライフスタイルという意味になります。持続可能という部分がエコロジーに結びつき、ロハスというのは環境にやさしいライフスタイルというイメージがあるわけです。

健康

健康というのはどうなのか。ここにスローフードやオーガニックというものが入ってきます。ですから、スローフードや自然食がロハスには欠かせないものとして定着しています。

ロハスの五つの柱

より細かくロハスを定義すると、五つの柱に分けることができます。

  1. 持続可能な経済
  2. 環境共生な暮らし
  3. 健康的なライフスタイル
  4. 代替療法
  5. 自己開発

『ソトコト』

日本でロハスを広めたのは、なんといっても『ソトコト』です。ここ数年の間ずっとロハスのスポークスマン的存在を果たしてきています。その内容から判断すると、ロハスに含まれるものは、スローフード、自然食、パーマカルチャー、エコツーリズム、エコハウス、エコカー、ヨガなどなど。

スピリチュアル

一方、スピリチュアルという言葉は江原啓之さんの活動などによって広く一般に認知されるようになりましたが、スピリチュアル・ムーブメント自体はここ二十年ほどずっと続いてきています。英語のspiritualという言葉は霊的な、あるいは精神的なという意味の形容詞です。名詞形はspiritualityです。これはNew Ageという言葉のほぼ同義語であり、超常現象的なものから自己実現まで幅広い領域を指します。スピリチュアリティに含まれるものには、瞑想、ヨガ、クリスタル、チャネリング、ヒンドゥー教、チベット密教、シャーマニズム、ヒーリングなどがあります。

ニューエイジ

New Ageとなると、さらに幅が広くなり、サイコセラピー、ヒプノセラピー、代替療法、自然食、ベジタリアニズム、能力開発などが含まれます。

ロハスとスピリチュアリティは重複している

ここで気づかれた方もいらっしゃると思いますが、ロハスとスピリチュアリティでは重複してくる部分があります。代替療法、自然食、ベジタリアニズム、ヨガなどがそうです。

実は、ロハス文化の背景をしっかり理解していれば、重複してくるのは当然のことなのです。ロハスの五つの柱のうちの三つ、健康的なライフスタイル、代替療法、自己開発というものをもっと細かく見てみると、それがよくわかります。健康的なライフスタイルで挙げられるものはヨガ、太極拳、ウォーキング、自然食、気功などですが、これはほとんどスピリチュアル系の人々に好んで行われていることです。健康ということを突き詰めて考えていくと、精神的な健康ということも含まれます。これはWHO(世界保健機構)が掲げる健康の定義(健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない)に新たにspiritual(霊的)という言葉が加わったことからも、その認識が広がっていることがうかがえます。従って、健康的なライフスタイルにはサイコセラピーや瞑想などが入ってきます。代替療法も、ホメオパシー、アロマセラピーから指圧、鍼灸などの東洋医学まで含まれ、東洋医学のベースになっている考え方は道教です。道教はスピリチュアル文化と深くつながっています。自己開発というのは別の言い方では自己啓発や能力開発になり、サイコセラピーの技法の多くが自己開発に使えるものです。

持続可能な経済と環境共生な暮らし

では、持続可能な経済、環境共生な暮らしという側面はどうでしょうか。ロハスという言葉はアメリカの社会学者ポール・レイと心理学者シェリー・アンダーソンの『Cultural Creatives』という本で有名になりましたが、生活創造者という新しいタイプの社会集団のライススタイルを指しています。この生活創造者というのは、当然ヨーロッパにも存在し、イギリスでは以前、New People、もしくはAlternative Type、略してATと呼ばれていた社会集団とほぼ同じです。僕はちょうどこのNew PeopleやATが存在していた1980年代にイギリスに滞在し、その社会集団の中心で生きていました。『天上のシンフォニー』に登場する中山悟、マーク・ウィリアムズ、クレア・トンプソンなどはみなこの社会集団に属する人たちです。彼らのほとんどがスピリチュアルなことに興味があり、同時にエコロジカルな生活も実践しています。スピリチュアル・ライフを実践する上で、菜食主義であることや自然食を食べることは重要であり、それはそのまま持続可能な経済や環境共生な暮らしに結び付いています。瞑想を実践する人の多くは自然の中に住みたがり、田舎で有機農法による自給自足の生活を営んだりします。

エコロジーとスピリチュアリティ

エコロジーという概念自体がスピリチュアリティとは切っても切れない関係にあります。欧米で広がっているスピリチュアル・ムーブメントは、キリスト教を中心とした一神教文化とも、科学万能主義とも違った新しいイデオロギーを提唱していますが、ユダヤ・キリスト教以前の多神教や、東洋思想、先住民のシャーマニズムなどがベースになっています。エコロジー文化の先駆者であるラルフ・ワルド・エマソンやヘンリー・デビット・ソローなどの超越主義者たちは、多神教や東洋思想の影響を受けていますし、『Small is Beautiful』の著者E・F・シューマッハーは仏教の影響を受けています。自然と人間をわけ隔てた一神教の教えに対して、多神教や東洋思想の教えでは人間も自然の一部であり、すべてはつながっているというエコロジー的な考えを持っています。このことからも、エコロジーとスピリチュアリティがつながっていることは十分頷けます。

ロハスとスピリチュアリティは今後益々融合していく

欧米ではロハスという言葉はあまり普及していません。むしろエコロジーやグリーンという言葉のほうが一般的です。エコロジー先進国というと何といってもドイツ、オランダ、北欧、イギリスなどの北ヨーロッパ諸国が挙げられると思いますが、例えば国を挙げて脱原発の方向に進んでいる環境立国ドイツには数多くのシュタイナー学校があります。教育、医療、農業、経済など多岐に渡って持続可能な価値観を提唱しているシュタイナー哲学はドイツの環境運動に少なからず大きな影響を与えていますが、実は、この哲学は秘教の流れを汲んでいて、スピリチュアルな世界観を持っているのです。

また、40年以上もエコロジカルな文化を紹介してきた雑誌『Resurgence』は、イギリスの環境運動のオピニオンリーダー的存在ですが、エコロジーだけでなく、スピリチュアリティというものも重要視しています。発行人であるサティシュ・クマールさんは、「Soil, Soul, and Society」(土、魂、社会)というコンセプトを大切にしていて、三つがバランスよく融合することが、持続可能な社会にとって欠かせないと言っています。

グローバル・エコビレッジ・ネットワークの主要メンバーで、世界のエコビレッジの先駆者的存在であるスコットランドのフィンドホーンも、スピリチュアリティというものを共同体の核にしていて、スピリチュアルでホリスティックな世界観が持続可能な社会には不可欠だと考えています。

つまり、ロハスとスピリチュアルという一見独立して広まっている言葉は深くつながっていて、欧米の状況からも、日本でもこの二つの文化は今後益々融合していくことでしょう。

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