世界最先端の超免疫力アップ法
世界最先端の超免疫力アップ法
コロナ死亡率、持病で5倍超=腎臓病やがん、9要因分析―厚労省10万人調査という記事が載っていましたが、やはり病気になることはリスクが高くなり、病気にならない身体づくりをすることが不可欠になってきました。
幸い、健康を維持するための科学も進化し続けています。ここ5,6年で数々の新発見が起きているので、従来の栄養学などから一度情報を更新する必要があります。
『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』の著者であるハーバード大学のデビッド・シンクレア博士によると、老化を止めるメカニズムも解明されてきて、老化を止めることで多くの病気を予防することができるそうです。そんなデビッド・シンクレア博士の研究も含め、ここ数年間私が集めた世界最先端の健康情報をここに集約します。ほとんどがアメリカなどで出版されている本や動画が情報源になっているので、日本では入りにくい情報です。ここでは細かい説明を省き、ノウハウだけを語っていきますので、細かい説明が必要な人はリンク先等をお調べください。また、ここで紹介するのは中高年用の健康法です。若い人や子供の場合はまた変わってきますのでご了承ください。
オートファジーと腸内細菌
私が調べた中で免疫力を上げるキーワードはオートファジーと腸内細菌です。オートファジーは大隅良典博士が2016年にノーベル賞を受賞した研究で明らかになったものですが、細胞のリサイクル機能です。若い時はこの機能が普通に働いているのですが歳を取ってくると働きが衰えてくるので、意識的に働きを促す必要があります。オートファジーは老化を遅らせ、様々な生活習慣病の予防につながると考えられています。
腸内細菌は昔から言われていることですが、昨今では西洋医学の医師たちの間でも注目され、腸内細菌こそが我々の健康状態を司っていることが共通認識になってきています。
間欠的ファスティング
オートファジーを活性化させる上でも、腸内環境を整える上でも役立つと言われているのが間欠的ファスティングです。つまり、断食です。といっても何日もするような長いものではなく、1日16時間だけ断食するというものです。
1日24時間断食
私が勧めるやり方はまず、一日24時間断食をすること。前の日に夕食を午後8時に終えた場合、翌日の午後8時まで何も食べないということです。とりあえず、1日だけこれをやってみる。これが腸の大掃除になるからです。腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があると言われていますが、善玉菌が優勢な状態に保つと、日和見菌は善玉菌につくので、腸が善玉菌の管理下に置かれるようになります。反対に、悪玉菌が優勢になると日和見菌は悪玉菌につくので悪玉菌の管理下に置かれるようになります。ヘルス・コーチのThomas DeLauerによると、細菌によってエサを食べる頻度が違うそうです。24時間何も食べないということは、腸内細菌にとってもエサが来ないことになりますが、善玉菌はそのぐらいエサを食べなくても困らないそうです。ところが悪玉菌の多くが耐えられなくなり、餓死してしまうそうです。
Reset Your Gut with this Fasting and Fiber Protocol
https://www.youtube.com/watch?v=eFcDKO8tUB4
24時間断食をすることで、善玉菌が優勢になります。そのうえで善玉菌のエサになるような食べ物を中心にした食生活に切り替えることで、腸内環境を健康な状態に保つことができます。
ハレとケ1日16時間断食
翌日からは平日だけは1日16時間断食をしてみてください。1日2食にするということですが、朝食抜きが一番やりやすいです。例えば前の晩午後8時までに夕食を終えた場合、翌日の正午まで何も食べないということ。朝食を取らず昼食を12時以降にするというものです。
これを週5日やり、土日は休みます。つまり3食食べます。
ということは、1週目はこうです。
月:24時間断食(朝食、昼食抜き)
火:16時間断食(朝食抜き)
水:16時間断食(朝食抜き)
木:16時間断食(朝食抜き)
金:16時間断食(朝食抜き)
土:3食取る
日:3食取る
2週目以降は、
月:16時間断食(朝食抜き)
火:16時間断食(朝食抜き)
水:16時間断食(朝食抜き)
木:16時間断食(朝食抜き)
金:16時間断食(朝食抜き)
土:3食取る
日:3食取る
1日16時間の空腹時間を設けることでオートファジーの活性が始まるそうなので、毎日することで日々細胞が生まれ変わっていきます。
週末休むのは、平日をケとし、週末をハレとしメリハリをつけるためです。継続させるためには、ある程度楽な方法のほうがよく、週末休めることで難易度が大幅に下がります。そして、オートファジーもずっと活性化した状態でいるよりは、時々こうした休憩が入ったほうがいいと様々なデータで出ています。
「痛み」と「休憩」を交互に持ってくることが鍵です。断食や運動からもたらされる「痛み」は「休憩」とのセットで、休憩があることでかえって効果が上がると。
断食中に摂取していいもの
水、緑茶、ブラックコーヒーなどカロリーの入っていない飲み物。コーヒーに砂糖やハチミツを入れたら糖質を取ることになるので、コーヒーを飲む場合はブラックで。緑茶もコーヒーもオートファジーを活性化させるというのでいいです。オーガニックのものを選んでください。
週3日バージョン
週5日が大変という人は週3日でもいいです。
月:16時間断食
火:3食
水:16時間断食
木:3食
金:16時間断食
土:3食
日:3食
つまり、ハレ4日、ケ3日バージョン。
腸内環境を整える食事
16時間断食の後、昼と夜に何を食べればいいかですが、善玉菌のエサになるような食べ物を中心とした食事です。
食物繊維
まずは食物繊維です。よく、水溶性食物繊維がいいと言いますが、不溶性食物繊維も両方大切です。腸内環境は極力多様な状態に保つことが大事だというので、多様な腸内細菌にエサを与える必要があります。そのため、週に30種類ぐらいの食物繊維を摂るといいと、『Fiber Fueled』の著者Will Bulsiewicz医師は言っています。
まごわやさしいこ
食物繊維は野菜に豊富だと言われていますが、野菜だけで30種類も見つけるのは大変なので、「まごわやさしいこ」を利用するといいです。
ま:豆類
ご:ゴマ、ナッツ、種
わ:海藻
や:野菜
さ:魚
し:しいたけ、きのこ
い:イモ類
こ:穀物
ここに果物を追加すれば選択肢が増えます。
魚には食物繊維は含まれていませんが、オメガ3脂肪酸であるEPAやDPAも腸内細菌のエサになるそうなので、イワシやサバなどの青魚はいいです。ただ、海が放射性物質や重金属で汚染されているので、できるだけ小さな魚で、魚の遊泳範囲を調べたほうがいいです。養殖魚には抗生物質が投与されていることが多いのでできるだけ天然を選びましょう。
他の食材も極力オーガニックなものを選びましょう。
穀物は精製されていないものを。米ならば玄米、小麦粉ならば全粒粉。
果物は日本で取れる季節のものがいいです。
発酵食品
続いて発酵食品が腸内細菌にいいと言われています。みそ、醤油、納豆、漬物など。
味噌汁はできれば1日に1回は飲みたいスパーフードです。みそは毎日使うものなので質のいいものを選んでください。オーガニックで昔からの製法でつくられたもの。醤油などの調味料はすべてそうです。せっかく腸内の掃除をしたのだから、いいものを身体に入れていきましょう。調味料は天然のものに一式買い換えたほうがいいです。例えばドレッシングなどにはオメガ6系のオイルが使われているものが多いので、食事でいいものを取っても調味料が悪ければ本末転倒です。
一番オススメの発酵食品が納豆です。納豆はオートファジーを活性化させるというスペルミジンが一番豊富な食品ですし、その他なかなか取りにくいビタミンKも豊富です。1日1回は納豆を食べましょう。
そして酵素玄米。納豆菌と玄米菌の二つが最も強力な菌だと万能酵母液の開発者である堂園仁さんは言っていますが、万能酵母液のつくり方がわからない人は酵素玄米からも玄米菌を摂取することができます。酵素玄米にすることでタンパク質量も増えるので、植物性タンパク質を中心に取っている人はちょうどいいです。
油は何を使えばいいのか
調味料の話が出たので油にも触れておきますが、油にはオメガ6系、オメガ9系とオメガ3系があります。
それぞれ良さがあるのですが、加工食品や外食で多量のオメガ6を摂取しているので、オメガ3とのバランスを保つために極力オメガ3系オイルをおすすめします。えごま油やアマニ油です。ただ、オメガ3系オイルは熱に弱いのでフライパン料理には使えません。サラダへのドレッシングか蒸し野菜にかけて使ったりします。パンなどに塗ってもいいですね。
ちなみに、調理は油は極力使わず、蒸すほうがいいです。特に揚げるのは避けたほうがいいです。時々なら炒めるのはオーケーですが、その場合はオメガ9系の油を使うといいです。オリーブオイルか米オイルです。オリーブオイルは地中海ダイエットでもとても有名になりましたが、オーガニックでエクストラバージンオイルがいいです。ただ、ニセモノも出回っていて見分けるのが難しいです。国産が多い米油を使うのも手です。
塩は天然塩
塩も重要です。できれば天然ものを使いましょう。市販のもののほとんどが工場などでつくられたものです。今減塩運動が各地で進んでいますが、塩自体が悪いのではなく、市販の塩が悪いのです。天然塩には重要なミネラルがたくさん含まれているので、ミネラル不足の今、塩をきちんと摂ることでミネラルも摂れます。
避けたほうがいい食べ物
●加工食品
(ソーセージ、ハム、ベーコンを含む)
●白砂糖の入ったもの
(お菓子、菓子パン、清涼飲料水、ケーキ、ドーナツなど)
●工場式畜産による肉
(市販の肉のほとんどがそうです。肉を食べるなら、抗生物質不使用、遺伝子組み換え飼料不使用で、できれば放牧されたものや平飼いされたものがいいです)デビッド・シンクレアによると、動物性のアミノ酸を大量に摂ると老化の原因になるとのこと。
●白米、パン、パスタ、うどんなどの精製された小麦粉でつくられたもの。
●乳製品
(牛乳は極力避け、飲むなら低温殺菌牛乳にしましょう。豆乳がベストです。ナチュラルチーズならまだ発酵しているぶんましです。バターなら今ニュージーランドの放牧牛バターが売られています。ただ、バターは毎日使わず、時々です。全粒粉の天然酵母パンに塗りたいならオリーブオイルかアマニオイルがいいです)
●果物やフルーツジュース
(果物は食物繊維があっていいと言いましたが、最近の果物は糖分が多くなるように改良されているものも多いので注意が必要です。また、100%のフルーツジュースも凝縮されたぶん糖分が多いので要注意。
何を食べたほうがいいかについてはこちらの動画でも語っています。
身体にいい食べ方
食べるものも重要ですが、食べ方も重要です。
まず、よく噛むこと。噛むことが消化の第一段階なので、十分に唾液に絡ませながら噛むことがポイントです。
1,野菜
2,タンパク質
3,炭水化物
の順番で食べる。いきなり、糖質を取ると、血糖値が急に上がってしまうので、食べる時は野菜から食べ、次に豆や魚などのタンパク質系を食べ、最後に炭水化物です。
野菜もできれば生野菜を先に。酵素がより豊富なので。私は黒酢とアマニ油、天然塩、ゴマ、ヘンプシードなどでドレッシングをつくり、それをサラダにかけて一番最初に食べます。黒酢は血糖値の上昇を抑える作用があるそうです。
お酒の飲み方
アルコールは避けたほうがいいと言われていますが、赤ワインなどは体にいいとも言われています。どうすればいいのでしょうか。
『医者が勧める食事術』の著者牧田善二先生によると、糖質制限をしている人は糖質の多いビールや日本酒よりもワインのほうがいいと言います。焼酎やウィスキーなどの蒸留酒は糖質ゼロです。
赤ワインはレスベラトロールが豊富でいいと言いますが、その説を広めたデビッド・シンクレアによると、赤ワインから老化防止に必要な量のレスベラトロールを摂取するには1日4本ほど飲まなければならないということです。
同じことが日本酒について5ーALAで言われていますが、コロナを撃退するのに必要な量は食品からは無理だと言われています。レスベラトロールにしても、5ーALAにしてもサプリメントでないと足りないと。
ただ、私の考えでは、そもそも一種類の栄養素を一度に大量に摂ることがいいのか疑問なので、少量だとしてもレスベラトロールを赤ワインや葡萄から摂るのはいいと思っています。様々な栄養素を少量ずつ様々な食品から摂るのがいいと思います。
ただ、アルコールのマイナス面と天秤にかけると、1日グラス1杯か2杯までですね。できれば毎日は避け、2日に1回ぐらいにして。あるいは、ハレとケ16時間断食に合わせて、週末だけにしてもいいです。そして飲むならオーガニックで度数が12.5%以下。アメリカの健康志向の人たちの間ではdry farm winesというサイトが注目されていて、ここで扱っているのはオーガニックで12.5%以下です。https://www.dryfarmwines.com/
ちなみに長野産など国産ワインは11%とか度数が少ないものが多いです。度数が強ければ強いほど糖分も多くなるとか。
あと、1杯目と2杯目の間に水を飲むことも大事です。最後にも1杯水を飲みます。
免疫力を上げる運動
食事と併せて運動も大切です。生きがいダイエットでは、食事、運動、メンタル、ライフスタイルの4つが大切だと言っていますが、運動もそのひとつです。
有酸素運動
まずはウォーキング。最近イベルメクチン等で話題の長尾和宏医師は、著書『歩くだけでウィルス感染に勝てる!』で、ウィーキングが新型コロナウィルスやインフルに強い免疫力と体力を生むと言っています。ウィルスは紫外線に弱いそうです。
1日何歩がいいかは、8000歩、10000歩などいろいろ説がありますが、ある研究では4400歩でも十分な効果が現れたそうです。私が週5日しているノルディック・ウォーキングが約40分間で4500歩ぐらいなので、個人的にはこのぐらいで十分だと感じています。逆にこれ以上長くなると時間的に大変ですよね。1日15分から20分ぐらいのウォーキングでもしないよりはしたほうがずっと効果があると言われています。
筋力運動とHIIT
歳を取ってくると筋力が弱ってきますので、筋力運動もどこかで組み込みたいものです。そこで、デビッド・シンクレアが最も効果的だと言っているものがHIIT(高強度インターバル・トレーニング)です。HIITとは、「High Intensity Interval Trainingの略で、負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング法のこと。限界まで体を追い込むことで、常に脂肪が燃焼しやすい状態をキープし、体脂肪減少と筋肉増量効果を得るものです。
HIITのやり方は、20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返すだけです。
いろいろなやり方がありますが、私のやっている方法は以下のものです。
腕立て伏せ20回(20秒)
休憩(10秒)
腹筋20回(20秒)
休憩(10秒)
スクワット20回(20秒)
休憩(10秒)
を3セットで、計9回になり、8回はクリアしたことになります。
この順番だとそれぞれの筋肉に10秒以上の休憩時間が与えられ、さらに、腕、腹筋、脚と全身運動になります。
前後にはストレッチングもしましょう。
私はノルディック・ウォーキングを週5日行い、HIITを週に3日行っています。
こうした運動もオートファジーを活性化させると言います。
では、メンタルやライフスタイルはどうすればいいでしょうか。そこまで書くと長くなってしまいますので、続きは本をお読みください。
『生きがいダイエット―哲学者が勧める、幸せに生きる食事法』
紙版
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4991064856
kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B085MT914C
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