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自給自足と半農半X

自給自足と半農半X

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食糧難の中、自給自足が注目されている

今、自給自足の生活が注目されています。自然の中で暮らしたい、体にいいものを自分の手で作りたい、都会であくせく働く生活から一新して、人間本来のライフスタイルを取り戻したいなど、動機は様々ですが、食糧難や経済危機が懸念される中、もっと切羽詰ったものとして、新たに脚光を浴びています。

自給自足といっても、今の世の中で完全に自給自足をすることはほぼ不可能です。家賃、税金、公共料金の支払い等があるので、食べ物が自給できたとしても、何らかの現金収入が必要になってきます。

半農半X

そこで注目されているのが半農半Xな暮らし。これは塩見直紀さんという人が提唱しているもので、半分農業をして半分別の仕事をするというライフスタイルのことです。専業農家として農業を営んでいくには朝から晩まで田畑に出る必要がありますが、自分の家族が食べるぶんだけを作っていくのであれば、半日の仕事で何とかなるそうです。ですので、残りの半日を別の仕事に費やすことができます。それを現金収入を得る仕事の時間に回すということもひとつですが、塩見さんが提唱するXとは、ただ生活のためにする仕事ではなく、そこに何らかの社会的意義や価値の生まれる、ミッション的なものだそうです。

Xとは

もともと星川淳さんの「半農半著」の生活をヒントにされたということで、星川さんが翻訳や執筆活動を通して社会に向けて情報発信をするようなことを指しています。ある人にとってそれは芸術活動であったり、NPO的な活動であったり、英会話やヨガの講師だったり、ヒーラーだったり、民宿経営だったり、その形は十人十色でしょうが、みんな自分にとってのXを見つけることがポイントだと言っています。もちろんXを現金収入を得る手段にすることがベストなので、自分の得意分野で、同時にそれが地域で必要とされるものを見つけ出せばいいでしょう。

半農半Xは21世紀の潮流となる

この半農半X型ライフスタイルは、今後主流の形となっていくと思われます。食糧難や経済危機が迫り、石油ピークも近づいている今、人類は大規模な生活の転換を迫られています。場合によっては貨幣経済が崩壊する可能性もあるので、そうなると、ほとんどの人が自給自足の生活をしていかないと生きていけません。現に、経済危機を迎えたことのあるキューバでは、今までオフィスワークをしていた人たちが一斉に農業に切り替えることで、危機を乗り越えています。同じことが日本にもいえ、食糧自給率40%以下の日本では、とにかく農業人口が増えることが求められています。

半農半Xは究極なエコ

環境にやさしいということが時代のキーワードとなっている昨今ですが、マイバックやマイ箸を持ったり、省エネに励んだりすることを多くの人が習慣化するようになり、素晴らしいと思います。そうした日常生活の中でできるちょっとしたことが、大きな違いを作ります。

分業こそが問題の大元

ただ、真の意味で地球の現状を変えるためには、もっと大々的な変容が必要です。問題の多くはシステムにあるからです。グローバリゼーションというシステム、分業というシステムです。ごく少数の人が農業を行い、残りの大多数の人がその他の職業に就いてお金で食べ物を買うという、このシステムが問題なのです。一見この当たり前に見える構造は、実は人類史の中で非常に珍しいのです。つい百年ぐらい前までは、ほとんどの人が農村や漁村で暮らし、自給自足の生活をしていました。

大量生産、機械化、農薬

分業が始まって農民の数が減ったことによって、農業従事者は大量生産型の農業を行うことを余儀なくされました。大量生産するためには人力で耕運や除草の作業を行うのは大変なので、機械が導入されました。また効率を上げるために化学肥料や農薬、除草剤が普及し、今のような慣行農業ができあがったのです。今は見栄えのいいものしか売れないので、農家はいやでも農薬を使わなければなりません。また、季節に関係なくほしいものを求める消費者のニーズに合わせて、ハウス栽培という技術が開発されました。冬でも温室を維持するためには大量のエネルギーを必要とします。農家から消費者の所へ食糧を運ぶのに、またエネルギーを必要とします。グローバリゼーションの中では、その輸送も国境を跨いで行われるようになり、エネルギー負荷の高いシステムとなっています。一見効率的に見えるこのシステムは、非常に非効率なのです。

まずはローカリゼーション

従ってこのシステムを採用している限り、永遠に問題は解決しないことになります。そこでまずは農業のグローバル化をストップし、地産地消型の農業に切り替える必要があります。フードマイレージを小さくする。国産のものを消費する。できれば自分の住んでいる県のものを消費する。さらにいいのが自分の住んでいる町でできたものを消費することです。

半農半Xは究極のローカリゼーション

そしてさらにいいのが自ら作ったものを消費することです。これならば一切の輸送が必要なくなります。自給自足のいいところは、一家族辺り田畑合わせて二反ぐらいの規模で十分なので、そうなると、機械を使わなくてもできますし、一般に手間がかかると言われている有機農法自然農でも行えるのです。

農が変わるとすべてが変わる 

農業は人間の生活の最も基本となる部分で、実はこのシステムの歪みが他のあらゆる分野にも影響し、ここを修正することによって、他の分野も変わっていくのです。

半農半X型地域コミュニティの出現

バリ島モデル

では、なぜ自給自足でなく、半農半Xなのか。塩見さんは半農半Xの例としてバリ島モデルを挙げています。バリ島では朝早く水田で働いて、暑い昼は休憩して、夕方になるとそれぞれが芸術家に変身するそうです。毎日、村の集会所に集まって、音楽や踊りを練習したり、絵画や彫刻に精魂を傾けたりするそうです。そして十日ごとに祭りがやってきて、それぞれの技を披露しあい、村人たちが集団トランスに入るといいます。実は、縄文時代もこれに近かったといいます。

地域レベルの分業システム

自給自足といっても、すべてを自給自足するのは不可能です。そこで若干の分業が必要になってきます。洋服を作ったり、家具を作ったり、土木作業を行ったり。農業でも養鶏や畜産などは別の設備等が必要になってくるので、それを専門とする人に任せて物々交換を行ったほうがいいでしょう。従って米や野菜は自分で作るけれども、他のものは分業して物々交換するというシステムが、一番効率的です。ただ、その分業を同じ部落内もしくは同じ村内に留めることがポイントで、それ以上広げると様々な問題が生まれるのです。

半農半専門分野

そこで半分農業をやり、残りの半分をその分業にあてていくことが望ましいです。分業というのがそれぞれの専門分野で、医療、教育、洋裁、手工業など様々なものが考えられます。当然芸術なども入ってきて、バリ島モデルのように祭りでのパフォーマンスを行うこともできますし、画家などの場合は、村内の様々な場所に壁画を描く仕事を担当したりすることができるでしょう。そうすることでカラフルな村づくりをすることができます。

★こうしたシステムを描いた小説ができました。
『百姓レボリューション』
『百姓レボリューション2』
『百姓レボリューション3』

地域コミュニティのネットワーク社会

そうした地域コミュニティが至る所にできていくことでしょう。ほとんどコミュニティ内で自給自足が成り立つ生活をしていくのですが、場所によってはとれないものも出てくるはずです。例えば山村と漁村ではとれるものが違うので、そうしたものの物々交換も必要になっていき、コミュニティ同士のネットワークというものもできていくことと思います。

適正技術

自然エネルギーなども普及し、ただ昔に戻るのではなく、適正技術も使えるものはどんどん使われ、そうしたものがすべて包括的に融合した、持続可能な社会が実現することと思います。

半農半スピリチュアル

バリ島モデルでは、村人一人ひとりが農民であり、芸術家であり、なおかつスピリチュアルな探究者です。十日に一度開かれる祭りには特別な意味があり、集団トランスという儀式を通してコミュニティのバランスを保っているのでしょう。水瓶座の時代はあらゆることが融合すると共に、精神性が重視される時代だとも言われています。そういう意味では、今後の潮流となっていく半農半X型コミュニティ社会も、基盤としてスピリチュアルなものを持ち、半農半スピリチュアルな生活を、多くの人がしていくのではないでしょうか。

20125人

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